中医学の“水”
中医学の“水”とは津液(しんえき)と言われ、体内の正常な水分や水液の総称です。 津液には、滋潤・滋養作用があり、皮膚・関節・臓腑など身体のあらゆる場所に循環しています。
現代医学で言えば身体の水分代謝に関連するものです。
これらの分泌液は「五液」と呼ばれ、五臓と関係しているのです。
<五臓と五液の関係>
- 肝…涙
- 心…汗
- 脾…涎(よだれ)
- 肺…洟(はなみず)
- 腎…唾(だえき)
それぞれの液が、外邪から各臓器を防衛しています。
- ●涙の異常(多い、乾燥しすぎ)
→肝の異常・疾患の可能性 - ●汗の異常(かき過ぎる、多い、出ない)
→心の異常・疾患の可能性 - ●よだれの異常(多い、出ない)
→脾の異常・疾患の可能性 - ●鼻水の異常(出過ぎる、詰まる)
→肺の異常・疾患の可能性 - ●唾液の異常(少ない、乾きやすい)
→腎の異常や疾患・疾患の可能性
最も経験が多いのは鼻水かと思われます。
鼻水が異常に多く流れる状態は、寒邪などの影響。
鼻水が黄色く詰まって苦しい状態は、熱邪などの影響。
鼻はそのまま肺へとつながります。鼻水によって外邪から肺を守っています。何らかの要因でバランスを崩した場合、その液は異常な状態になります。さらに言うと肺は免疫や体力に関連します。寒邪や熱邪でもない場合、過労や心労が過ぎると肺気が衰え、鼻水が出てしまうこともあります。
水(津液)は身体の必要な水分、液です。これらが多すぎても、少なすぎてもならず、程良くバランスが取れた状態が健康と言えます。これらのバランスを見ることよって身体の状態を見てみましょう。