中医学のダイエット、メタボリックシンドロームの改善
中医学では身体に過剰に蓄えてしまう症状は「脾」「腎」が関係する。
ストレスも大きな原因となり「肝」も関連すると考えられる。
『肥人也…其為人也、貪於取与。』
「…肥満者、それは食事を飽くことなく貪る。」
食べすぎによって肥満となるという基本を述べている。
『肥人多痰、肥乃気虚也。 虚則気不運行、故痰生也。』
「肥満者は痰が多く気虚(エネルギー不足)である。」
虚により気が滞り、めぐりが悪くなるので痰が生じる。
『肥人湿多』…肥満者には湿が多い。「痰湿」が肥満の原因物質。
「痰湿」の生成代謝と密接に関係している臓腑は「脾」と「腎」。
「脾」は飲食物の消化・吸収・代謝、および栄養物質の生成を行う。食物の運化(代謝)を主ることで、食べ物から栄養成分を吸収し「気」「血」「水」を生成している。「腎」は人体を構成する基本物質「精」を蔵することで、成長・発育・老化・ホルモンバランス・生殖・水分代謝を主る。
「腎」の働きが悪くなると水分の排出がうまくいかず「痰湿」を生み出す。「脾」と「腎」は互いに助け合い正常な機能を果たす。「脾」や「腎」の機能が低下した場合や脂っこく味の濃いものを過食すると代謝がうまく出来ずに病理物質「痰湿」が体内に生じ肥満となる。
「痰湿」によってさらに飲食物の正常な運化作用が失われ、栄養物質が体の各部に送られないばかりか、脂肪が体内にたまり「気」「血」が滞って循環が悪くなり様々な病症が起こる。