現代医学と伝統医学では大きな認識の違いがある。
現代医学
予防については、身体に良く、免疫を高めると言われるものを主に食による摂取、健康活動(運動、休息)をデータをもとに形成されたものを指す。
未病については、検査による数値、或いは物質の科学的分析によって出た結果によるものが、病に向かっているのか、病になる確率が低いのかをデータとして結果を出すもの。
伝統医学
人間の身体は環境的因子(季節、季候、温度、湿度)と精神的因子(感情、ストレス)、その他に疲労などによってバランスが崩れる。生命を維持しようとすれば、必ず何らかの影響を及ぼす。その影響に対して、身体の感覚や精神面に出現する傾向、その対策として行う活動、食、休息方法を体質別、季候別、状態別、仕事別、ストレス別など、個人に合わせた方法を提供するもの。
伝統医学では、予防と未病は同じところにあり、予防をしていれば病にならない、病に向かわないとは考えておらず、予防と未病は同じ位置にあると考えている。
現代医学の二次元論(病という診断でなければ健康)的がいつしか、三次元論(健康→未病→病)となり、今や、未病医学のことを病の診断を下すための検査を指し、予防医学を医師が勧める食やサプリメント、細胞の数値によって細胞年齢を割り出すことによって免疫が高いという定義のもとに病になりにくいというものになっている。
健康寿命、平均寿命、今後問題視されている認知症問題や精神的な病について、数的な傾向によって平均値の中でそれを予防することは現代医学として行うことは大いに素晴らしいことである。
しかし、両翼であるべき、文化や風習に即した伝統医学での法則も無視できないのではないだろうか。伝統医学は身体のあらゆる部位に出現する感覚や、精神的な変化によって、いち早く変動的にそれに対応していくものである。